【地区別】高校駅伝強豪校~中国地方~

Uncategorized

高校駅伝の名門校について紹介します。
近年の全国高校駅伝出場校だけにとどまらず、優秀な長距離選手を多く輩出する名門校が1県に複数あります。
インターハイや全国高校駅伝(都大路)には出場せずとも、箱根駅伝で活躍する選手も沢山います。

今回は、中国地方の強豪校についてご紹介します。

関連記事>>>
【一覧】高校駅伝強豪全国169校。箱根、実業団の卵はほぼここにいる

中国地方を代表する超名門3校

世羅高校(広島)

いわずと知れた、高校駅伝御三家の一角、世羅高校です。
一時低迷し都大路出場を奪われる時期もありましたが、全国トップクラスの力を維持し続けています。

代表的な出身選手

  • 坂口泰:世羅高校→早稲田大学→SB食品→中国電力監督(2021年現任)。
    早稲田大学で箱根駅伝で活躍。SB食品入社後は不整脈に苦しむも故中村清監督から薫陶を受けた貴重な選手。中国電力陸上部黎明期に監督就任。弱小軍団をニューイヤー駅伝優勝の名門チームに押し上げる。
  • 鎧坂哲哉:世羅高校→明治大学→旭化成(2021年現役)。
    明治大学のスーパーエースとして箱根駅伝で活躍。5,000m、10,000mなどトラックで卓越した実績を誇る。ニューイヤー駅伝では確実にレースをつくれる選手として旭化成上層部からの信頼も厚い。
  • 吉田圭太:世羅高校→青山学院大学→住友電工(2021年現役)
    父も世羅高校出身で親子2代で世羅のエースを務める。青山学院時代も下級生の頃からエース格として大学駅伝を賑わせた。実業団は住友電工に進み、躍進に期待がかかる。
  • 原晋:世羅高校→中京大学→中国電力→青山学院大学監督(2021年現任)。
    もはや説明不要。青山学院の名物監督として有名。世羅高校時代はキャプテンとして全国高校駅伝準優勝に貢献、この時長距離区間の4区を担当。黎明期の中国電力に入社するも自身のマインドや坂口監督とのすれ違いなどもあり、選手生活は短い。営業マンとして実績を残した後、強化開始直後の青山学院大学監督としてゼロから箱根駅伝優勝に導いた実績は衆知。吉田圭太選手の父は高校時代の後輩。

超名門校世羅は、出身選手を挙げればキリがないほどです。
書ききれないけど記録にも記憶にも残る選手は数え切れません。

特徴

学校のある広島県世羅町は「駅伝の町」。
町を挙げて世羅高校を応援、バックアップしています。

同行OBでもある住職が営むお寺は駅伝ファンの聖地のひとつ。
歴代名選手の靴が展示されています。

世羅高校の練習では、グラウンドのほか町の山道を走るコースがあり、まさに往年の名選手の脚をつくってきました。
世羅高校は地元のヒーローです。

世羅高校出身者の参考書籍

中国電力陸上部はなぜ強くなったのか
中国電力陸上部の創部から名門となるまでの道のりが紹介されています。
坂口泰監督の苦労、取り組みが非常に印象的です。

魔法をかける アオガク「箱根駅伝」制覇までの4000日
ご存じ原監督が青山学院大学を箱根駅伝出場、優勝に導くまでのサクセスストーリーです。

2冊とも陸上競技の本というより、成功までの道程や組織づくりなど、ビジネスや教育においても学べる点が非常に多いです。

倉敷高校(岡山)

近年、毎年優勝候補に挙げられる全国的な強豪校です。
岡山県では長年1強状態で、都大路の連続出場記録は全国最多です。

代表的な出身選手

  • 田中宏樹:倉敷高校→駒澤大学→中国電力(引退)
    平成の常勝軍団と呼ばれた駒澤大学黄金期を代表する選手のひとり。箱根駅伝4連覇に貢献しています。中国電力でも安定的な活躍をしました。
  • 馬場翔大:倉敷高校→駒澤大学→NTT西日本(2021年現役)
    倉敷高校3年時の全国高校駅伝は準エース区間3区を担当し準優勝に貢献。
    駒澤大学では箱根駅伝5区での出走が印象深い。力のある選手だが、箱根山中で低体温症となり倒れ込むように往路ゴールへ飛び込んだシーンは有名。
  • 中島怜利:倉敷高校→東海大学→プロランナー(2021年現役)
    東海大学の6区山下りを担い、箱根駅伝初優勝に貢献。東海大学黄金世代のひとり。
    現在はYouTuberとしても活躍しており、ユーモアのある選手。

特徴

長きに渡り勝又雅弘監督の指揮の下、岡山県内無敵、全国トップクラスの実績を出し続けてきました。
世代を問わずオレンジのユニフォームを都大路で見かけない年はない。
近年は留学生の力も強力で、1区、2区で我慢して、3区で大逃げ体制に持ち込むレースが主体。

西京高校(山口)

西京高校も長きに渡り、山口県トップを独占中。
中国高校駅伝でもトップ争いが定位置。

代表的な出身選手

  • 田村和希:西京高校→青山学院大学→住友電工(2021年現役)
    青山学院大学1年次から箱根駅伝で活躍。暑さには弱いが、ダイナミックなフォームとスピードで長い距離でもグイグイ押してくる走りは脅威。
    弟の田村友佑も黒崎播磨入り後に全国トップクラスの力をつけ、兄弟で陸上界を盛り上げる。
  • 菖蒲敦司:西京高校→早稲田大学(2021年現役)
    西京高校のエースとして、高校時代から世代トップクラスの力を誇っている。
    2021年はインカレで活躍するなど、スター軍団早稲田の中でも目立った走りをしている。

特徴

山口県内1強を誇り、都大路へは2021年で29年連続34回目の出場。
西京高校の赤色のユニフォームは全国でもおなじみ。
山口は他校にも有力選手がちらほらいる年があるが総合力は圧倒的に西京が勝っていた。
しかしながら、高川学園などが力をつけ、下剋上の気配も少し感じられる。

鳥取県の強豪校

鳥取城北高校

ここ数年最も都大路に出場していたのは鳥取城北高校です。
鳥取県内だけでなく、隣接する兵庫県からも有力選手を獲得し、選手層の厚さは県内随一です。
箱根駅伝出場選手も増えており、指導実績が年々上がっています。

米子松蔭高校

2021年の都大路出場校です。
昔から常に上位を占める伝統校ですが、あと一歩で都大路を逃すことも多かったです。
2021年エースの清水郁杜選手は5000m14分一桁のタイムを持つ、中国地方を代表する選手です。
礼儀作法に厳しく、鳥取県内では唯一の坊主校でもあります。

八頭高校

常に安定した戦力を持ちますが、なかなか都大路に届かないです。
全国的な知名度では他校の後塵を拝すものの、バルセロナ五輪銀メダリストの森下公一選手(現トヨタ九州監督)を輩出するなど過去から強力な選手も育ててきています。
近年では創価大学の桑田大輔選手が全国トップクラスに成長しており、箱根駅伝での活躍も期待されます。

その他

鳥取県といえば、鳥取中央育英高校(旧:由良育英高校)が有名です。
ピンクのユニフォームで都大路準優勝経験もあるエリートチームですが、ここ10年で衰退しています。現役では中国電力の岡本直巳選手、中電工の二岡康平選手など世界に出ていくアスリートもおり、復活してほしいものです。

島根県の強豪校

出雲工業高校

島根県といえば出雲工業高校の1強時代が長く続いていました。
都大路でも上位こそないものの10-20位台に顔を出すことは少なくありませんでした。
現在でも、どこが1番強いかと聞かれればやはり出雲工業です。
ただ、近年やや元気がなく、2021年は県駅伝で苦杯を舐めています。
長らく坊主校でしたが、最近は坊主辞めた?ような印象です。

平田高校

2021年の都大路出場校です。
近年、急速に力をつけ、ついに都大路出場を勝ち取りました。
伝統校ではなく、トップクラスでもなかった公立校ですが、ブレークスルーを迎えたのでしょう。

その他

かつて箱根駅伝2区で区間記録をマークした三代直樹選手(順大→富士通)を輩出した松江商業が関東の大学に選手を送り込むことも珍しくありませんでしたが、ここ暫く姿が見えませんね。野球では有名な開星高校も力をつけてきているようです。島根県は荒れ模様となるかも知れません。

岡山県の強豪校

倉敷高校

上記でも紹介した強力チームです。
岡山県内のみならず、兵庫県からも選手を獲得しています。
競合大学へのパイプも強く、卒業後も箱根駅伝、ニューイヤー駅伝などで上位を走る選手が多いですね。ケニア人留学生も毎年ハズレなく強いです。2021年のキプチルチル選手も世界的に強いです。
バリバリの坊主の強豪校です。

玉野光南高校

都大路こそ出てこないものの、昔から好選手を輩出しているチームです。
2021年現在話題の中心となっているのが、3000mSCで無類の強さを誇る黒田朝日選手。
法政大学で活躍した黒田将由選手の長男としても有名で、弟の黒田然選手とともに大活躍中です。
倉敷高校の影に隠れている面は否めませんが、伝統的な県内強豪の一角です。

岡山商大附高校

近年急速に台頭してきたチームです。
県高校駅伝では、倉敷A、倉敷Bに続いて2位に食い込んでいます。
5000m14分台を複数揃えたり、強力なエースを育てたり、といったところにはまだないですが、ジワジワと下地が出来上がっている感があります。

その他

5年に1回の全国高校駅伝記念大会に出場した水島工業も侮れない存在です。
2021年の県駅伝はタイムも奮いませんが、玉野光南、岡山商大附に次いで気になるチームです。

広島県の強豪校

世羅高校

なんといっても世羅高校です。
圧倒的な強さを誇り、大学、実業団への選手輩出実績も抜群です。
補欠も含めてすべての選手が上位レベルに進めているといっても過言ではないでしょう。
多くの大学で満遍なく選手を見かけるので、パイプの幅も広そうです。
礼儀に厳しく坊主の昔ながらの伝統校ですね。

西条農業高校

西条農業も全国的にも知名度のある伝統校です。
世羅と並んで広島県を代表するチームです。
都大路に駒を進める機会は多くありませんが、着実に好選手を輩出している印象ですね。
こちらも坊主の学校です。

広島国際学院高

全国的には日の目を浴びていませんが、着実に強化を進めてきたチームです。
箱根駅伝、実業団でも選手を見かける機会が増えてきたように思います。
長年頑張っている感じはありますが、レベルが高い県ゆえに全国でアピールするチャンスも多くはないのでしょうか。

その他

短距離では全国的に有名な為末大選手の出身校広島皆実も県内上位をキープしています。
少し残念なのが、元祖オレンジエクスプレス徳本一善選手(法政大学→日清食品→モンテローザ→駿河台大学監督(祝)箱根初出場。)を輩出した沼田、全国でも強かった伝統校熊野、一時世羅を上回った如水館など世羅、西条農に次いでいたチームが総じて消沈してしまっていることです。
この辺りがまた世羅を脅かすくらい頑張ってほしい。

山口県の強豪校

西京高校

やはりトップは西京高校です。
ハイレベルを維持し続けていますし、大砲となる選手も何年かに一度は出ている。
県内トップ選手が集まり、育成もしっかりできる。
が、他の勢力の台頭が著しい。頑張って1強を守ってほしいところですね。

高川学園高校

昔からトップ層に次ぐレベルにはありましたが、ついに西京の背中が見えるところまできました。
2021年の県高校駅伝は3区まで西京のお株を奪ってトップを快走しています。
1区高山豪起選手は29分台で中継、2区のスピードランナー重山弘徳選手は8分25秒の区間新と圧巻の走りを見せています。総合記録は2:10:38ともう一つに見えますが、西京が2:8:56と背中の見える範囲です。コースも難しかったのでしょうし、都大路レベルの力は十分あるでしょう。

宇部鴻城高校

昔から度々にいい選手を輩出する伝統チーム。
駅伝での目立った活躍はないものの、エースを育てることに関しては卓越したものがある印象です。
かつての早稲田三羽烏の一人櫛部静二選手(早稲田大学→エスビー食品→城西大学監督)、マラソンで活躍した梅木蔵雄選手(早稲田大学→中国電力)を輩出したことが特に有名。

その他

たまに西京以外でも好選手が出てくるのが山口県の不思議なところ。
豊浦、下松、下松工業(中電の根性走り五十嵐選手を輩出)、美祢工業(中電、安定感抜群の油谷選手を輩出)など、以外なところからいい選手が出てくる可能性もあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました